GYPSY TALE ~流浪する物語たち~

MMORPG「Master of Epic」、PCゲーム「The Elder Scrolls IV Oblivion」、「幻想神域 -Cross to Fate-」の世界を旅する放浪一家の日々を適当に書き連ねる日記

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

5章2節

「Rumor」

~5章2節 ネクロフィリア~



 多くの者がダイアロスへと流れてきた。ある者はイルミナの幻影の導きによって、ある者は何も知らず漂流して─そして皆、嵐に飲まれ一度死んだ。
 モラ族が海に散った魂を再び蘇らせた。ある一つの願いを託すために…。
 そして語られた。このダイアロスに取り巻く本来とは、外の世界とは違う生と死のルールを。
 闇の力を使うソウルバインダーは契約を持って魂をこの地へと繋ぎ止める。そして再び生きるチャンスを与える。
 死によって離れた体と魂は再び触れ合うことで、また一つの存在へと戻る。その力を『LOOTING CORPSE』と呼んだ─それは本来起こりえない事象ゆえに、体と魂の結合にはそれ相応の時間を要した。しかし、中には本の瞬きのうちに結合を終えることが出来る力を持った者達がいた。

 <<ムトゥーム地下墓地>>
 ファリオンは流浪の魔法屋であった。各地を転々として魔法の力を振るって手助けをしていた。そして、ふらりと立ち寄ったこの地下墓地で要請を受け、地下墓地の北に位置するマブ神殿に居た。そこは今、陰鬱な空間において賑わっていた。多くの者が所狭しと並び、自分のが来る番を待って様々な声があちらこちらから上がっている。
「一体何なんだよあれはよぉ」
「刀剣スキルは持っていかれませんように…!」
「くそ~あんなのありか?」
「俺の番はまだか~」
 声だけを聞けば、何十人も居るようだが…しかし実際にそこに居たのはほんの15,6人程度だった。いやそれは正しくなかった。多くの言葉が飛び交う中、他の術者と並んで、ひたすら一つの魔法を連続で唱えていたファリオンには普通とは異なる光景が見えていた。ただ声だけが聞こえる誰も居ないはずの空間に立つ半透明な人々が。彼等は何らかの理由で肉体と別離させられた─いわゆる魂だけの存在であった。魂だけの存在は本来視認することは出来ないものだが、それをファリオンが見ることを可能にしているのは彼が掛けているファントムモノクルという片眼鏡の力だった。
 ファリオン他の術者たちがひたすら唱えているのは、何処かに取り残された空の器たる肉体を魂の元へと呼び寄せる"コープスミーティング"と言う魔法。ファリオンは次々にやってくる魂に体を呼び寄せてやることの繰り返しでマナが枯渇したため、そこで一息つけると隣で同じように一息ついている術師へと声を掛けた。
「尋常じゃない人数が死んでるけど…何かあったん?」

 <<ビスク港>>
 闇の上から月が見下ろす港に波の音が響く中、二人の男が刃と刃が激しくぶつけ合っていた。一人は血の様な赤に彩られた禍々しい甲冑に身を包んだ死の使いのごとき青年で、名は"ゲドユダヤ"。彼は狂った笑みを浮かべながら手にした大鎌を間断無く振るっていた。それに対するもう一人は月に照らされ銀色に煌く鎧を待とう体格のよい斧使いで、街中での不意の襲撃に焦燥の表情を浮かべ、狂った攻撃にひたすら防戦に徹していた。そしてその二人から少し離れた場所には軽戦士風の死体が一つ転がっていて─
「君の身体、気に入ったよ・・・」
 ゲドは斧使いへ囁くように言うと同時に、さっと鎌を相手の首元目掛けて振るった。斧使いは上体を前に逸らして凶刃をぎりぎりの所でかわすと、ゲドユダヤの腹部に向けて石突を放つ。しかし無理な体勢から繰り出された攻撃は鎧に阻まれてその威力を減じた。鎌を振りぬいた勢いと石突の衝撃を利用したゲドは、その場でクルリと回転してさらなる一撃を放つ。鎌は脇腹の間接部に潜りこみ、その内側にある肉体を突き刺した。斧使いは痛みに思わず膝を折り地面に手をついた。鎌に刺された箇所からどんどん力が抜けていく・・・それでも尚反撃に出ようと再び斧を振ろうとした。が、武器を握るその手を無常にもゲドの足が踏みつけた。そして脇腹から鎌を引き抜くと─
「でも、君は要らない」
意地悪っぽく言い放ったゲドは自分の首元で首を掻っ切るジェスチャーをして見せた。しかしそれは本来の相手を挑発するだけの動作ではなかった。ゲドのその動作と同時に斧使いの身に変化が起きる。痛みと出血で霞んでいた視界が突然闇に閉ざされ、斧使いは混乱した。何も見えない闇の中で、斧使いは声を聞いた。
「─"死神の晩餐 鋭く速く魂喰らい"」
 遊び歌のようなそれは死の宣告のように聞こえた。
「だから・・・死んでくれ」
そしてその次の瞬間、彼は強い力によって魂と身体の絆を引き裂かれていた。

 二つの死体が転がる傍に立っていたゲドは、けたけたと笑みを洩らして鎌の刃を地面に擦りながら歩き出し─そのまま夜の世界へと溶け込んだ。その後に一陣の風が通り過ぎた後には二つの死体も消え失せて─

| MoE:Book of Rumor | 20:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://gypsyspell.blog46.fc2.com/tb.php/432-c9bf559f

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。